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手打ちわんたん麺(醤油)@麦笑・墨田区本所吾妻橋

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写真: 手打ちわんたん麺(醤油)@麦笑・墨田区本所吾妻橋

写真: 特製鶏つけそば@ルリカケス・江東区木場 写真: 夢にでてきた中華そば@夢にでてきた中華そば・目黒区自由が丘

中華そば 麦笑(むぎわら)
  墨田区吾妻橋2-2-4 フェスティワン1階

 千葉県でラーメン店等を展開してきたオーナーが、「利益よりも本当に体に優しく美味しいラーメンを作りたい!」との想いから立ち上げたという新店で、今年6月下旬にオープンした。お店があるビルには、店名とともに手打ち多加水麺、手作りわんたんと書かれていて、何がウリか一目で分かる。平日の11時35分で先客は5人と空いていた。入口にある券売機を見ると、手打ち中華そば、手打ちわんたん麺、特製わんたん麺にはそれぞれ醤油と塩があり、さらに手もみつけそば(雲呑2ヶ付き)の並盛り250gと大盛り350gの計8種類が用意されている。その中から、メニュー筆頭の標記と味玉の食券を発券した。900円+100円=1000円。
 麺は幅6mmほどでよくよじれた手もみ麺。前述のとおり、店内外には手打ちだとか手延べだとかいう表記が目につくが、店内最奥のカウンター席後ろに製麺室があり、そこで専任の店員さんがせっせと麺打ちに励んでいたが、製麺室にはちゃんと大和製作所のそば用製麺機らしいものが鎮座していたので、これを使っている限りは自家製麺といえども機械打ちであって、手打ちとか手延べとかとは呼べないだろう。まあ、そういう話は横に置いておいて、麺は表面は軟らかいものの、中心には太くはないがしっかりとした歯応えの芯のような部分が残っており、このためシコッとした食感を感じつつモッチモチで、最近巡り合うことが多い手打ち、手切りの打ち立て麺にかなり似ていて満足感が高い。また、麺をよく見ると、麺肌に細かい粒々が見えるので全粒粉入りだ。小麦の風味が強いとは感じなかったが、後述するしっかり味のスープにも全く負けない存在感が食感だけではなくあった。スープは、一口目に「ちょっど甘めのうどんのかけ汁」を連想した。ラーメン用スープなので、よく味わえば鶏由来の味わいがあるのが分かるが、それでも和風出汁と醤油のバランスと言おうか、両者が織りなす味わいがうどんを想起させた。説明書きによれば、スープは筑波鶏のスープと節系和出汁を合わせたWスープにじっくり抽出した鶏油で香り高く仕上げ、一方、かえしは旨味調味料を使わず、煮干や昆布、鰹節や干牡蠣と複数の醤油で作ったそうだ。動物系が旨味の基礎を築いた上で節系の心地よい軽い風味が食べる気をそそり、その他の食材が旨味や風味の厚みを増す役割を果たしていて、非常に味わい豊かなスープに仕上がっている。わんたん麺はノーマルな中華そばよりもたった150円増しなのに、肉ワンタン3個、海老ワンタン2個の計5個も入っている。しかもどちらも親指の先ほどもある餡がぎっしりと包んであり食べ出がある。卓上にはワンタンの味付け用に黒酢、生姜油、ラー油の3種類が用意されていて、レンゲにすくったワンタンに好みの調味料を垂らして味わうという、初めての食べ方を楽しめた。個人的にはラー油が肉にも海老にも合ったように思う。チャーシューは2種類で、一つはモモ肉のレアチャ。モモなのにしっとり軟らかく、サッパリとした肉の味が楽しめる。もう一つはローストタイプの肩ロース。焼き豚風のタレに漬け込んでからローストしたとのこと。これも軟らかいが味わいはモモとは全く別で、市販の焼き豚のような肉の旨味が堪能できる。味玉は濃いオレンジ色の黄身が半熟状態で、好みのゼリー状にはなっていなかったのは残念だが、それでも黄身の濃厚さはしっかりと感じられた。メンマは細目に仕上げられているがそれでもジャキジャキと強めの食感が特徴で、味付けは薄め、特有の発酵臭は軽く感じられる程度だった。
 時折ユズ皮に当たるとユズの爽やかな香りが鼻腔を抜けて行ったり、たっぷりと入っているネギのみじん切りの散らし方に変化を付けてスープの味わいを変えたりと、一つの丼の中色々な味わいを楽しめる一杯だ。味だけでなくその点も評価したい。こんな一杯がお客を呼ぶようで、12時頃の退店時には店内外に6〜7人が待っていた。

・お気に入り度:〇+

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