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2021_0710_131309 KS-76A台車

写真: 2021_0710_131309 KS-76A台車

写真: 2021_0711_173912 KW37C 写真: 2021_0710_131245 FS337E 台車

京阪2400系の電動車用の台車です。
エコノミカル台車と呼ばれるタイプの台車で高速電車での
採用例は他社ではあまりありませんが、
京阪電車では昭和36年の2000系の2次車のKS-63から昭和52年のKS-77Aまで改良を加えつつ主に電動車に採用しています。

京阪電車は競合の国鉄や阪急に比べて線形が悪くカーブが多いので、乗心地に関して昔から非常に気を使っていました。昭和20年代後半、国鉄や汽車製造会社でそれまで世界的にも実用化例のなかった空気ばねの研究が始まり、その試作台車のテストということで、京阪電車が手を上げました。試作台車のKS-50
http://photozou.jp/photo/show/251552/236042612
は予想を上回る好成績を収めたので、国鉄ではビジネス特急こだま号に空気ばねが採用され、京阪電車でも特急用の1810系がらKS51型っという本格的な空気ばね台車を採用しました。さらに空気ばね台車を通勤電車にも拡大するため
KS51を通勤電車用にチューニングしたKS58型台車を当時最新の2000系電車に採用しました。
http://photozou.jp/photo/show/251552/238748491
当時の通常の客車や電車の台車は、車軸の軸受けのところにばねがあり、さらに台車と車体の間にまくらばねがあるという二段構えになっていました。
KS51やKS58はそのまくらばねを金属のコイルばねから空気ばねに置き換えた、という構造でしたので、非常に高価につくのが欠点で、数の要る通勤電車にその後も採用し続けるのは価格的に負担が大きい代物でした。
そこで、空気ばねが金属ばねよりずっと柔らかくて防振性が良く、空気を出し入れすれば高さ調整やダンピングの調整も可能であるという点に注目して、軸受けまわりのばねは止めてゴムを巻く程度にし、まくらばねだけにしても良い乗心地が得られ、安く作れるのではないか、という考えで作られたのがこのエコノミカル台車です。最初に2000系の2次車に採用されたKS63型は予想通り、中低速域ではまくらばねだけでも良い乗心地が得られましたが、100キロくらいの高速になるとビリビリとした微振動が出始めるという問題が出たため、軸受けまわりのゴムの厚さを増すことで対処し、改良型のKS-73型で今の形に落ち着いています。このKS-76型はKS-73型の少改良版で外観はKS-73とほぼ同じ。
軸受け周りの黒い輪が厚みを増したゴムブッシュになります。

台車を開発した汽車会社はその後川崎重工に吸収合併されています。

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